元 河川監理員による河川情報
    水質事故対策
     水質事故の通報があった時に関係スタッフはどのように動いているのでしょうか。直接の業務担当でなければわからない事もあると思います。住民からの水質事故通報を受けた自分や在席する係員が、水質事故対応の業務分担は無い場合でも、地域住民からみると、お役所ひとまとめです。対応ストップはできません。すぐやらなければなりません。

     でも、あわてることはないのです。まずは水質事故担当者の携帯へ電話し、通報内容など状況説明すれば対策はスタートします。

       水質事故担当者へ情報伝達するために必要な第一のポイントは、通報者からできるだけ具体的な情報を聞き出すということです。これがいいかげんだと水質事故担当者へ伝言できません。水質事故対応がスタートできません。

     水質事故対策チームがどこへ出動すればいいのか、河川への流出物質は何か、その広がりはどのくらいかなどは電話聞き取りの基本です。たとえば、「4tトラックの幅で、その5台分ほどの長さで川に広がっている」とか言われた方もみえました。

     以前のエピソードですが、通報者が「○○市の者ですが・・・」と言われて、そのままメモされた内容を確認しても、「○○市職員」なのか「○○市民」なのか不明だったとか、特に水質事故発見場所などは通報者へ詳細に確認しなかったために、的確に現場へ到着できなかったりと、対策がスムーズに動かなかった時もありました。(右岸か左岸か等)

     次回は、水質事故の情報連絡により、どのように現地対策されていくのかを紹介していきますね。




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    水質事故対策完了
     日頃より、国・県・市町と関係機関で、「水質汚濁対策協議会」とか「水質保全対策協議会」などという名称で、流域河川の水質保全に関する連携をしています。そのような連携の中で地域への支障を最小限にするべく今もどこかで水質事故対策しています。水質事故を発見したり通報を受ければ河川管理者は、夜中であろうが年末年始であろうが、いつでも(民間ではあたりまえの事でした・・自慢げにスミマセン)出動しています。

     今回は「住民から水質事故通報を受けた市町(協議会メンバー)」より、国の河川管理者へ情報伝達があったという状況で対策シナリオを話します。まずは情報連絡の様子です。


    ①住民から通報を受け連絡をしてきたのは「市町の何課の誰なのか」など確認します。

    ②「発見場所」は明確か。どこに出動すればよいのか?

    ③「発見した状況」はどうか? 発見日時、どんな物質がどのくらいで、どうなのか?不明か?周囲の状況は?原因者は?

    ④「市町の対策」として今何をやっているのか?支川で被害を最小限に食い止める対策は実施中なのかどうか。特に緊急を要する場合は大至急、市町担当者の方から「被害が及ぶであろう関係機関(漁協とか取水者)」へ第1報を入れてもらう事も大切です。

    ⑤市町へは「今後も対策に関する次報をいただきたい」とお願いする。市町の現地出動者と市町庁舎内職員で連絡をとりあっているかどうか。市町の担当1名のみで対応せず、現地要員と職場内要員を確保して対応してもらいたい等、お願いしていました。市町によっては水質事故担当要員が少なく、時期によっては議会対応中という繁忙期であったりします。しかし、議会も大切ですが、今現在発生した水質事故も周辺地域へ支障をもたらす恐れがあるので、要員確保をお願いするとともに、国の河川管理者も支川対策へ協力です。
     次報については、市町の誰(現地?市庁舎内?)から、いつ頃、事務局(国の河川管理者)へ「次報」が来るのかを確認することが必要です。

    ⑥市町で通報を受けた場合は、なるべく「水質事故連絡票」と「位置図」を事務局へFAXしてもらいたい旨を市町へ依頼します。とりあえずは、口頭連絡を受け対応を進めていくこととなります。

    ⑦事務局(国の河川管理者)は、同時に対策担当課長や担当出張所へ第1報を連絡。(必ず!)事務局担当課長へは随時、状況を報告し指示に従い対策を進めていきます。

    ⑧事務局(国の河川管理者)は、関係機関(事故発見場所周辺及び下流域の市町や利水者など)へFAX送信をします。

    ⑨事務局担当課長の指示により「上部局」へ報告する場合もあります。

    ⑩現地へ出動し調査確認した当所出張所は状況報告をします。
     現地対策は、発見場所から上流部へ向かい原因者追跡調査及び原因物質の追求調査し、発見場所から下流部のどのあたりまで異常が認められるかを確認するのです。

    ⑪事務局(国の河川管理者)は、現場から送られてくる情報により「水質事故連絡票」の次報を作成しFAXすることとなります。

    ⑫水質事故対策は、現地において流出が止まらないうちは、対策終了とはなりません。

    ⑬対策状況、現地状況により「河川への新たな流出はなく、河川や周辺への被害がこれ以上拡大する恐れがない場合」は事務局担当課長の判断により「本日の対策は終了」となります。

    ⑭「本日の対策は終了」となった場合は、現地活動中または出張所待機している職員へ、その旨を必ず伝えます。

    ⑮「最終報」はFAXなどで関係機関へ流すこととなります。


    ■現地対応はどのようにやっているのか

    ①原因物質の調査

    ②原因者を追跡調査。原因者が判明した場合は直ちに流出ストップの対応をさせるために注意指導。

    ③発見場所の状況(魚類の斃死の有無、周辺の動植物に異常はないか・・・ほか)

    ④水質汚濁物質が下流のどのあたりまで到達しているか

    ⑤水質汚濁物質は支川で食い止める(オイルフェンスが張りやすい場所で対策)

    ⑥気温、水温、簡易水質検査パック測定など実施

    ⑦第1報へ追加すべき情報(第2報~)は随時報告する(自分の職場若しくは協議会事務局へ)
    ・どのような対策を実施中で、状況はどうか、
    ・河川への新たな流入は終息したか

    ⑧原因者への指導状況、後日原因者へは対策に要した費用を請求することとなります。支払われない場合は強制徴収です。




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    水質改善は大変です
     油流出は重大な環境汚染を引き起こします。 昔いた職場で管理していた河川では、水質事故が非常に多くありました。地域住民の方から頻繁に通報がありました。発見したらすぐお役所に通報という良い連携ですね。
     通報を受けたら、下流域の関係者へも連絡してスグ出動です。いつ何時もです。(あたりまえですが)

     現地対策は、通報箇所へ直接向かう対策チームと河川下流部から確認していくチームによりスタートします。下流部からのチームは、原因物質は何か、色や臭い、川への広がり、流出範囲など調査しながら上流部へと向かいます。たとえば、流出箇所が樋管だと判明した場合、そこから上流部へ調査を広げ、原因者を調査します。樋管へ繋がる支川も調べます。支川管理者と協力して対策にあたるのです。

     本川の河川管理者は自分の管理区間だけで対策おしまいというわけではなく、自治体と協力して、流出油等を支川で止めることに全力を尽くします。自治体の対策人数が少ない時は特に協力です。県管理区間や市町の水路について、イザとなった時に対応するのは理由は要りません。対策に係る費用面などあるので役割分担するところもありますが、水系一体管理の志は強いです。

     とにかく、「水質事故は支川でくいとめろ!」が合言葉です。

     わずか大さじ1杯のしょう油が河川に流れた時、魚が住める水にするためには500リットルの水が必要になると言います。少しの油流出でも自然環境には大きな被害となるのです。


     生活環境への被害としては、流出した油の臭気等で周辺住民の健康に大きな被害を及ぼします。又、流出油が地下へ浸透した場合は井戸水が使えなくなる等の被害も発生します。

     産業への被害としては、農業&漁業に大きな被害を及ぼします。又、工業用水の取水停止による工場の稼動が停止する可能性もあります。

     これらの被害に対して原因者には、多額の賠償請求の発生が予想されます。流出後の油の回収費用,環境回復費用に高額な費用が必要となります。それ以上に,国民の環境への注目が高まる中、原因者が企業だった場合、油を流出させたことによる企業のイメージダウンは,企業存続に関わる大きな問題となるでしょう。


    ■関係法令を紹介します


    水質汚濁防止法(抜粋・要約です)

    第14条の2 第1項および第2項 (事故時の措置)
     工場又は事業場で貯油施設(原油・重油・潤滑油・軽油・灯油・揮発油・動植物油を貯蔵する施設で規模の大小は問いません。)の設置者は、貯油施設等の破損その他の事故が発生し、油を含む水が当該貯油事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く油を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事(政令指定都市の市長)に届け出なければならない。

    第14条の2 第3項
     都道府県知事(政令指定都市の市長)は貯油事業場等の設置者が応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第31条 第1項第2号(罰則)
     第14条の2第3項の規定による命令に違反した者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。


    消防法(抜粋)

    第16条の3 第1項 (事故時の措置)
     製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。

    第16条の3 第3項
     市長村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く。)又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が第1項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第16条の3 第4項
     市町村長(消防本部及び消防署を置く市町村以外の市町村の区域においては、当該区域を管轄する都道府県知事とする。次項及び第6項において準用する第11条の5第4項において同じ。)は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第1項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第42条第1項 (罰則)
     次のいずれかに該当するものは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    六の二 第16条の3第3項又は第4項の規定による命令に違反した者


    河川法(抜粋・要約)

    第18条 (事故時の措置)
     河川管理者は、河川を損傷し、若しくは汚損した行為によって必要を生じた河川の維持を、当該他の行為の行為者に行わせることができる。

    第67条(原因者負担金)
     河川管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた河川工事又は河川の維持に要する費用については、その必要を生じた限度において、当該他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。

    第71条(負担金の通知及び納入手続等)
     第67条、第68条第2項、第70条第1項、前条第1項及び第75条第9項の規定による負担金の額の通知及び納入手続その他負担金に関し必要な事項は、政令で定める。

    第72条(負担金の帰属)
     第67条、第68条第2項、第70条第1項、第70条の2第1項又は第75条第9項の規定に基づく負担金は、国土交通大臣が負担させるものにあつては国、都道府県知事が負担させるものにあつては当該都道府県知事が統括する都道府県の収入とする。

    第73条(義務の履行のために要する費用)
     この法律、この法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定又はこれらの規定に基づく処分による義務を履行するために必要な費用は、この法律に特別の定めがある場合を除き、当該義務者が負担しなければならない。

    第74条(強制徴収)
     この法律、この法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定又はこれらの規定に基づく処分により納付すべき負担金又は流水占用料等(以下これらを「負担金等」という。)をその納期限までに納付しない者がある場合においては、河川管理者(当該負担金等が、国の収入となる場合にあつては国土交通大臣、都道府県の収入となる場合にあつては当該都道府県を統括する都道府県知事とする。以下この条において同じ。)は、期限を指定して、その納付を督促しなければならない。

     河川管理者は、前項の規定により督促をする場合においては、納付義務者に対し督促状を果する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して20日以上経過した日でなければならない。

     河川管理者は、第1項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその負担金等及び第5項の規定による延滞金を納付しない場合においては、当該負担金等が国の収入となる場合にあつては国税の、都道府県の収入となる場合にあつては地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。

     前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。

     河川管理者は、第1項の規定により督促をした場合においては、政令で定めるところにより、同項の負担金等の類につき年14.5パーセントの割合で、納期限の翌日からその負担金等の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。


    国税徴収法(差押の要件)

    第47条(差押の要件)
     次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
    1.滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないとき。
    2.納税者が国税通則法第37条第1項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
    2 国税の納期限後前項第1号に規定する10日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第38条第1項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
    3 第2次納税義務者又は保証人について第1項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。



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