元 河川監理員による河川情報
    河川の安全と安心を目指して
     大昔、川には堤防が無く、大雨による洪水のたびに川筋が変化していたらしいです。水の補給が便利な川の周辺は農耕地として利用されており、洪水時に田畑に浸水した河川水が引いた後には、上流部から運ばれた肥えた土砂が残り、良い耕作地になったということです。

     しかし、川の位置が変わるたびに川の近くへ大移動をしながら原始的な農業をしていた住民は、収穫の安定化を図るために河川の流路を固定することにしました。堤防をつくり河川を定位置にしたのです。


     そのころから、「治水事業」が始まったと、ある資料で読んだことがあります。なるほど。

     造られた堤防の中には、連続した堤防ではなく途中にわざと切れ目を入れて増水時の河川水を農耕地に浸水させ、水位低下時には自然と水が引いていく仕組みの堤防も各地に作られたといいます。「霞堤防」という名称なので検索してみてください。各地にまだ残っているものもあるそうです。

     昔は、このような工夫もしながら、大自然である河川の危険性を十分承知の上で、その自然を上手に利用して生活してきたのです。

     そして長い年月をかけて、上流部にはダムが造られ堤防の改修も進んだおかげで、過去に比べて格段に河川の安全性が高くなりました。

     そうすると、今まで農耕地しか無かった河川付近にも、ついに住宅が建つようになってきました。思い切った決断です。氾濫を繰り返してきた大自然を堤防で閉じ込めた人間は、次のように思いはじめました。


    「危険は川の中だけでおこるものであり、我々の住んでいる地域は安全だ」と。


     しかし、今では誰もが知っています。河川は安全第一ではないことを。現代人は危機管理意識が高いんでしょうね。


     安全第一を誇る都市部に流れる河川は、リスクがいっぱい。私が以前いた職場でも、河川管理者も365日の河川管理ということで、渇水時、洪水時、そして平常時の河川機能も重視して取り組んでいました。

     不要な河川事業は中止だとか、事業進捗が遅い、災害時の情報連絡や管理機器操作体制の不備、行政なんか役に立たないなど、地域住民からの指摘を踏まえ河川管理者は真面目に努力してますよ。河川の防災対策や安全利用対策で成果を出すように。

     現在では、こんな行政の対策と併行して、地域住民自身が最大の危機を想定して防災対策しています。自分自身が被災しないように考えて、自分のできることは自分で対策していけば、被災減少の効果も非常に高いと思います。お役所任せじゃないところがいいですね。

     とにかく、河川においても被災する人を出したくないという思いだけで書きました。毎度の乱筆でスミマセン。


    ■判例等でチェックする河川管理者のやるべきこと

    ①施設の計画的な点検とその記録は必要。危険が想定される場合は最低注意看板等の設置も考えられる

     営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠き、他人に危害を及ぼす危険性のある状態をいい、このような瑕疵の存在については、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的、個別的に判断すべきものである。


    ②整備計画に基づき河川管理等、対策していることが必要

     過去に発生した水害の規模発生の頻度、発生原因、被害の性質降雨状況、流域の地形その他の自然的条件、土地の利用状況その他の社会的条件、改修を要する緊急性の有無及びその程度等諸般の事情を総合的に考慮し、河川管理における財政的、技術的及び社会的諸制約のもとでの同種・同規模の河川の管理の一般水準及び社会通念に照らして是認しうる安全性を備えていると認められるかどうかを基準として判断すべきである。

     改修計画に基づいて現に改修中である河川については、計画が、全体として、過去の水害の発生状況その他諸般の事情を総合的に考慮し、河川管理の一般水準及び社会通念に照らして、格別不合理なものと認められないときは、その後の事情の変動により未改修部分につき水害発生の危険性が特に顕著となり、早期の改修工事を施行しなければならないと認めるべき特段の事由が生じない限り、当該河川の管理に瑕疵があるということはできない。

     工事実施基本計画に準拠して新規の改修、整備の必要がないものとされた河川における河川管理の瑕疵の有無は、同計画に定める規模の洪水における流水の通常の作用から予測される災害の発生を防止するに足りる安全性を備えているかどうかによって判断すべきである。

     河川の改修整備がされた後に水害発生の危険の予測が可能となった場合における河川管理の瑕疵の有無は、過去に発生した水害の規模、発生の頻度、発生原因、被害の性質降雨状況、流域の地形その他の自然的条件土地の利用状況その他の社会的条件、改修を要する緊急性の有無及びその程度等諸般の事情並びに河川管理における財政的、技術的社会的諸制約をその事案に即して考慮した上、右危険の予測が可能となつた時点から当該水害発生時までに右危険に対する対策を講じなかったことが河川管理の瑕疵に該当するかどうかによって判断すべきである。

     河川は、当初から通常有すべき安全性を有するものとして管理が開始されるものではなく、治水事業を経て、逐次その安全性を高めてゆくことが予定されているものであるから、河川が通常予測し、かつ、回避し得る水害を未然に防止するに足りる安全性を備えるに至っていないとしても、直ちに河川管理に瑕疵があるとすることはできず、河川の備えるべき安全性としては、一般に施行されてきた治水事業の過程における河川の改修、整備の段階に対応する安全性をもって足りるものとせざるを得ない。そして、河川の管理についての瑕疵の有無は、過去に発生した水害の規模、発生の頻度、発生原因、被害の性質、降雨状況、流域の地形その他の自然的条件、土地の利用状況その他の社会的条件、改修を要する緊急性の有無及びその程度等諸般の事情を総合的に考慮し、河川管理における財政的、技術的及び社会的諸制約のもとでの同種・同規模の河川の管理の一般的水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を備えていると認められるかどうかを基準として判断すべきであると解するのが相当である


    ③占用させられない案件は放置せず原因者へそれを認識させる。計画的な是正指導が必要

     公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されることもなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、右公共用財産について、黙示的に公用が廃止されたものとして、取得時効の成立を妨げないものと解するのが相当である。


    ④道路管理とその緊急度等が異なるとしても、「計画どおりの河川巡視」を実施し記録することが必要

     幅員7・5メートルの国道の中央線近くに故障した大型貨物自動車が約87時間駐車したままになっていたにもかかわらず、道路管理者がこれを知らず、道路の安全保持のために必要な措置を全く講じなかった判示の事実関係のもとにおいては道路の管理に瑕疵があるというべきである。

     ※これらは、私自身が行動するためのチェック資料の一部に過ぎず、誰もがこれをマニュアルにして、言い訳を考えて仕事しているというわけではありません。(念のため)


    河川情報のトップページへ
    スポンサーサイト



    堤防除草した刈草が萌える?燃える!
     堤防除草すると火災防止にもなるので、これからの冬季を向かえ効果的な作業ですが、ひとつ注意しなければなら ない事があります。

     堤防上に仮置きした刈草が燃える!

     除草後に刈草を乾燥させるため、堤防上に仮置きすることがよくありますが、その刈草が何らかの原因で出火する のです。よく言われるのが焚き火による引火や、タバコの投げ捨てによる引火です。堤防上やその付近の橋を徒歩や 自転車、クルマで走行中にタバコを投げ捨てたことも原因のひとつとして想定されます。超常現象による自然発火な どより原因としては多いでしょう。

     この火災が堤防だけで済んでしまえばまだマシですが、飛び火して河川付近の家屋等が類焼したら最悪です。もし かして河川管理者に対して河川管理上の責任が問われるのでしょうか?

     問われるでしょうね。

     いくら堤防除草工事期間中に限る仮置きだとしても、刈草を積置きした場所は、堤防道路の利用状況などからみて も社会通念上、当然に予測される火災発生しやすい場所です。

     この工事が河川管理者による堤防除草工事として実施されていることからも、管理瑕疵は問われると思いますよ。

     これから乾燥した寒い季節になりますが、万全の注意をしたほうが良いですね。




    河川情報のトップページへ
    警察へ河川巡視情報を提供  以前の職場では年末年始休暇として12月29日から1月3日までがお休みでした。しかし、河川管理者に休みはありません。あたりまえですがこの期間中も河川巡視は実施しています。
     特に、年末大掃除の期間は不法投棄ゴミが河川敷に大量発生します。また、洗車した後の洗剤流出くらいならまだ良いほうですが、オイル交換して・・・・そうです。廃油を道端の水路へ流すことで河川への水質事故発生です。心無い一部の人たちによるものですが悲しいものです。


     河川巡視による発見や住民からの通報により対策に駆けつけます。

     また、河川区域内で事件や事故が発生する場合もあります。警察から河川管理者への事情聴取などで、河川区域内の現場状況経緯を聞かれる事もあります。

     このような様々な対応が想定されるために、年末年始休暇を迎えるにあたって事前に準備していたりします。

     現場経緯がわかる資料として「河川巡視台帳」などが適しているので、警察の依頼により確認する必要が生じた場合は、駆けつけた誰もがスグ確認できるように準備しておくことが必要です。この時期は特に河川巡視台帳の所在を明確にしておくよう事前に巡視員へお願いしました。

     日頃は、巡視員のパソコン内へ巡視データーを保存してあるため、この時期は特に他の者がそのデータを探しやすいようにすることが必要なんです。

     依頼すると巡視員は、この期間の巡視記録はパソコン入力後にすぐプリントアウトして、誰もがいつでも閲覧可能なように机の上にまとめて置いてくれました。ありがとう。




    河川情報のトップページへ
    不法耕作対策状況(万場大橋左岸下流8.4km+50m付近)②
     河川敷で耕作しているのをよく見かけます。河川敷には官有地だけではなく民有地も存在するので、その地権者が適正に耕作している場合もあります。現場を見ただけでは不法耕作かどうかは不明なんです。

     何らかの過去経緯があって河川敷に民有地が存在しています。

     基本的には、関係自治体と調整して対策していくことになりますが、日常の河川管理としては必要な対策を進めていかなければなりません。不作為はいけませんね。


     必要な対策としておよそ次のとおりです。

    ①現地の官民境界の確認が必要。河川区域内の現況を確認する(撮影、状況記録、計測等)
    ②河川敷(民有地)で耕作し工作物を設置している場合は、軽易な行為以外の違法(河川法27条)に該当するかどうか確認。許可不要のものをのぞき、許可できる場合は、占用許可申請するよう指導する
    ③河川敷(官有地)で耕作し工作物を設置している場合は、不法耕作(河川法24条や27条)に該当するかどうか現況確認
    ④いずれの場合も、耕作地や工作物が治水上の問題、河川利用上の問題、環境上の問題である場合は「是正指導」の対象となる。

    「是正指導」

    ①治水上支障があり、違法行為であることを原因者へ認識させる
    ②官有地の耕作者や、河川区域内の工作物設置者へ是正指導
    ③民地内の耕作でも河川区域内で支障となるならば指導
    ④沿線住民への注意啓発のために「広報啓発チラシ配布等」
    ⑤工作物への「注意文書の貼付」~原因者からの連絡待ち及び週に1度現地調査確認
    ⑥「注意看板の設置」など


     河川敷地内の民有地で耕作している場合は、ほとんどが河川区域における土地の掘削等で許可を要しないものでありますが、中には廃車(ライトバン)を農機具小屋の代わりにしたり、大きい小屋を設置したりと、治水上支障ある行為をされている場合もあります。

    いくらなんでも、河川敷の耕作地へ農機具小屋として廃車を設置するのはやめましょうよ

     不法状態がある耕作について、対策例としては、①河川巡視による啓発活動→ ②周辺地域へ広報啓発→ ③流域対象の会議等で方策を提案し「重点的撤去区域」を決定し対策を進める→ ④官民境界を確認し一気に撤去・・・というフローもあるかもしれません。


    ■河川区域内の耕作に関する法律■

    (土地の占用の許可)
    第24条
     河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。


    (工作物の新築等の許可)
    第26条
     河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。河川の河口附近の海面において河川の流水を貯留し、又は停滞させるための工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者も、同様とする。


    (土地の掘削等の許可)
    第27条
     河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切上その他土地の形状を変更する行為(前条第1項の許可に係る行為のためにするものを除く。)又は竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽易な行為については、この限りでない。


    (河川区域における土地の掘削等で許可を要しないもの)
    第15条の4
     法第27条第1項ただし書の政令で定める軽易な行為は、次に掲げるものとする。
    1.河川管理施設の敷地から10メートル(河川管理施設の構造又は地形、地質その他の状況により河川管理者がこれと異なる距離を指定した場合には、当該距離)以上離れた土地における耕耘

    2.法第26条第1項の許可を受けて設置された取水施設又は排水施設(その設置について、法第87条若しくは第95条河川法施行法第20条第1項又は砂利採取法(昭和43年法律第74号)第27条第1項の規定により、法第26条第1項の許可があつたものとみなされるものを含む)の機能を維持するために行う取水口又は排水口の付近に積もつた土砂等の排除

    3.地形、地質、河川管理施設及びその他の施設の設置状況その他の状況からみて、竹木の現に有する治水上又は利水上の機能を確保する必要があると認められる区域(法第6条第1項第3号の堤外の土地の区域に限る。)として河川管理者が指定した区域及び樹林帯区域以外の土地における竹木の伐採

    4.前3号に掲げるもののほか、河川管理者が治水上及び利水上影響が少ないと認めて指定した行為




    河川情報のトップページへ
    水質事故対策
     水質事故の通報があった時に関係スタッフはどのように動いているのでしょうか。直接の業務担当でなければわからない事もあると思います。住民からの水質事故通報を受けた自分や在席する係員が、水質事故対応の業務分担は無い場合でも、地域住民からみると、お役所ひとまとめです。対応ストップはできません。すぐやらなければなりません。

     でも、あわてることはないのです。まずは水質事故担当者の携帯へ電話し、通報内容など状況説明すれば対策はスタートします。

       水質事故担当者へ情報伝達するために必要な第一のポイントは、通報者からできるだけ具体的な情報を聞き出すということです。これがいいかげんだと水質事故担当者へ伝言できません。水質事故対応がスタートできません。

     水質事故対策チームがどこへ出動すればいいのか、河川への流出物質は何か、その広がりはどのくらいかなどは電話聞き取りの基本です。たとえば、「4tトラックの幅で、その5台分ほどの長さで川に広がっている」とか言われた方もみえました。

     以前のエピソードですが、通報者が「○○市の者ですが・・・」と言われて、そのままメモされた内容を確認しても、「○○市職員」なのか「○○市民」なのか不明だったとか、特に水質事故発見場所などは通報者へ詳細に確認しなかったために、的確に現場へ到着できなかったりと、対策がスムーズに動かなかった時もありました。(右岸か左岸か等)

     次回は、水質事故の情報連絡により、どのように現地対策されていくのかを紹介していきますね。




    河川情報のトップページへ
    水質事故対策完了
     日頃より、国・県・市町と関係機関で、「水質汚濁対策協議会」とか「水質保全対策協議会」などという名称で、流域河川の水質保全に関する連携をしています。そのような連携の中で地域への支障を最小限にするべく今もどこかで水質事故対策しています。水質事故を発見したり通報を受ければ河川管理者は、夜中であろうが年末年始であろうが、いつでも(民間ではあたりまえの事でした・・自慢げにスミマセン)出動しています。

     今回は「住民から水質事故通報を受けた市町(協議会メンバー)」より、国の河川管理者へ情報伝達があったという状況で対策シナリオを話します。まずは情報連絡の様子です。


    ①住民から通報を受け連絡をしてきたのは「市町の何課の誰なのか」など確認します。

    ②「発見場所」は明確か。どこに出動すればよいのか?

    ③「発見した状況」はどうか? 発見日時、どんな物質がどのくらいで、どうなのか?不明か?周囲の状況は?原因者は?

    ④「市町の対策」として今何をやっているのか?支川で被害を最小限に食い止める対策は実施中なのかどうか。特に緊急を要する場合は大至急、市町担当者の方から「被害が及ぶであろう関係機関(漁協とか取水者)」へ第1報を入れてもらう事も大切です。

    ⑤市町へは「今後も対策に関する次報をいただきたい」とお願いする。市町の現地出動者と市町庁舎内職員で連絡をとりあっているかどうか。市町の担当1名のみで対応せず、現地要員と職場内要員を確保して対応してもらいたい等、お願いしていました。市町によっては水質事故担当要員が少なく、時期によっては議会対応中という繁忙期であったりします。しかし、議会も大切ですが、今現在発生した水質事故も周辺地域へ支障をもたらす恐れがあるので、要員確保をお願いするとともに、国の河川管理者も支川対策へ協力です。
     次報については、市町の誰(現地?市庁舎内?)から、いつ頃、事務局(国の河川管理者)へ「次報」が来るのかを確認することが必要です。

    ⑥市町で通報を受けた場合は、なるべく「水質事故連絡票」と「位置図」を事務局へFAXしてもらいたい旨を市町へ依頼します。とりあえずは、口頭連絡を受け対応を進めていくこととなります。

    ⑦事務局(国の河川管理者)は、同時に対策担当課長や担当出張所へ第1報を連絡。(必ず!)事務局担当課長へは随時、状況を報告し指示に従い対策を進めていきます。

    ⑧事務局(国の河川管理者)は、関係機関(事故発見場所周辺及び下流域の市町や利水者など)へFAX送信をします。

    ⑨事務局担当課長の指示により「上部局」へ報告する場合もあります。

    ⑩現地へ出動し調査確認した当所出張所は状況報告をします。
     現地対策は、発見場所から上流部へ向かい原因者追跡調査及び原因物質の追求調査し、発見場所から下流部のどのあたりまで異常が認められるかを確認するのです。

    ⑪事務局(国の河川管理者)は、現場から送られてくる情報により「水質事故連絡票」の次報を作成しFAXすることとなります。

    ⑫水質事故対策は、現地において流出が止まらないうちは、対策終了とはなりません。

    ⑬対策状況、現地状況により「河川への新たな流出はなく、河川や周辺への被害がこれ以上拡大する恐れがない場合」は事務局担当課長の判断により「本日の対策は終了」となります。

    ⑭「本日の対策は終了」となった場合は、現地活動中または出張所待機している職員へ、その旨を必ず伝えます。

    ⑮「最終報」はFAXなどで関係機関へ流すこととなります。


    ■現地対応はどのようにやっているのか

    ①原因物質の調査

    ②原因者を追跡調査。原因者が判明した場合は直ちに流出ストップの対応をさせるために注意指導。

    ③発見場所の状況(魚類の斃死の有無、周辺の動植物に異常はないか・・・ほか)

    ④水質汚濁物質が下流のどのあたりまで到達しているか

    ⑤水質汚濁物質は支川で食い止める(オイルフェンスが張りやすい場所で対策)

    ⑥気温、水温、簡易水質検査パック測定など実施

    ⑦第1報へ追加すべき情報(第2報~)は随時報告する(自分の職場若しくは協議会事務局へ)
    ・どのような対策を実施中で、状況はどうか、
    ・河川への新たな流入は終息したか

    ⑧原因者への指導状況、後日原因者へは対策に要した費用を請求することとなります。支払われない場合は強制徴収です。




    河川情報のトップページへ
    水質改善は大変です
     油流出は重大な環境汚染を引き起こします。 昔いた職場で管理していた河川では、水質事故が非常に多くありました。地域住民の方から頻繁に通報がありました。発見したらすぐお役所に通報という良い連携ですね。
     通報を受けたら、下流域の関係者へも連絡してスグ出動です。いつ何時もです。(あたりまえですが)

     現地対策は、通報箇所へ直接向かう対策チームと河川下流部から確認していくチームによりスタートします。下流部からのチームは、原因物質は何か、色や臭い、川への広がり、流出範囲など調査しながら上流部へと向かいます。たとえば、流出箇所が樋管だと判明した場合、そこから上流部へ調査を広げ、原因者を調査します。樋管へ繋がる支川も調べます。支川管理者と協力して対策にあたるのです。

     本川の河川管理者は自分の管理区間だけで対策おしまいというわけではなく、自治体と協力して、流出油等を支川で止めることに全力を尽くします。自治体の対策人数が少ない時は特に協力です。県管理区間や市町の水路について、イザとなった時に対応するのは理由は要りません。対策に係る費用面などあるので役割分担するところもありますが、水系一体管理の志は強いです。

     とにかく、「水質事故は支川でくいとめろ!」が合言葉です。

     わずか大さじ1杯のしょう油が河川に流れた時、魚が住める水にするためには500リットルの水が必要になると言います。少しの油流出でも自然環境には大きな被害となるのです。


     生活環境への被害としては、流出した油の臭気等で周辺住民の健康に大きな被害を及ぼします。又、流出油が地下へ浸透した場合は井戸水が使えなくなる等の被害も発生します。

     産業への被害としては、農業&漁業に大きな被害を及ぼします。又、工業用水の取水停止による工場の稼動が停止する可能性もあります。

     これらの被害に対して原因者には、多額の賠償請求の発生が予想されます。流出後の油の回収費用,環境回復費用に高額な費用が必要となります。それ以上に,国民の環境への注目が高まる中、原因者が企業だった場合、油を流出させたことによる企業のイメージダウンは,企業存続に関わる大きな問題となるでしょう。


    ■関係法令を紹介します


    水質汚濁防止法(抜粋・要約です)

    第14条の2 第1項および第2項 (事故時の措置)
     工場又は事業場で貯油施設(原油・重油・潤滑油・軽油・灯油・揮発油・動植物油を貯蔵する施設で規模の大小は問いません。)の設置者は、貯油施設等の破損その他の事故が発生し、油を含む水が当該貯油事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く油を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事(政令指定都市の市長)に届け出なければならない。

    第14条の2 第3項
     都道府県知事(政令指定都市の市長)は貯油事業場等の設置者が応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第31条 第1項第2号(罰則)
     第14条の2第3項の規定による命令に違反した者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。


    消防法(抜粋)

    第16条の3 第1項 (事故時の措置)
     製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。

    第16条の3 第3項
     市長村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く。)又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が第1項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第16条の3 第4項
     市町村長(消防本部及び消防署を置く市町村以外の市町村の区域においては、当該区域を管轄する都道府県知事とする。次項及び第6項において準用する第11条の5第4項において同じ。)は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第1項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第42条第1項 (罰則)
     次のいずれかに該当するものは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    六の二 第16条の3第3項又は第4項の規定による命令に違反した者


    河川法(抜粋・要約)

    第18条 (事故時の措置)
     河川管理者は、河川を損傷し、若しくは汚損した行為によって必要を生じた河川の維持を、当該他の行為の行為者に行わせることができる。

    第67条(原因者負担金)
     河川管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた河川工事又は河川の維持に要する費用については、その必要を生じた限度において、当該他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。

    第71条(負担金の通知及び納入手続等)
     第67条、第68条第2項、第70条第1項、前条第1項及び第75条第9項の規定による負担金の額の通知及び納入手続その他負担金に関し必要な事項は、政令で定める。

    第72条(負担金の帰属)
     第67条、第68条第2項、第70条第1項、第70条の2第1項又は第75条第9項の規定に基づく負担金は、国土交通大臣が負担させるものにあつては国、都道府県知事が負担させるものにあつては当該都道府県知事が統括する都道府県の収入とする。

    第73条(義務の履行のために要する費用)
     この法律、この法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定又はこれらの規定に基づく処分による義務を履行するために必要な費用は、この法律に特別の定めがある場合を除き、当該義務者が負担しなければならない。

    第74条(強制徴収)
     この法律、この法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定又はこれらの規定に基づく処分により納付すべき負担金又は流水占用料等(以下これらを「負担金等」という。)をその納期限までに納付しない者がある場合においては、河川管理者(当該負担金等が、国の収入となる場合にあつては国土交通大臣、都道府県の収入となる場合にあつては当該都道府県を統括する都道府県知事とする。以下この条において同じ。)は、期限を指定して、その納付を督促しなければならない。

     河川管理者は、前項の規定により督促をする場合においては、納付義務者に対し督促状を果する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して20日以上経過した日でなければならない。

     河川管理者は、第1項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその負担金等及び第5項の規定による延滞金を納付しない場合においては、当該負担金等が国の収入となる場合にあつては国税の、都道府県の収入となる場合にあつては地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。

     前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。

     河川管理者は、第1項の規定により督促をした場合においては、政令で定めるところにより、同項の負担金等の類につき年14.5パーセントの割合で、納期限の翌日からその負担金等の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。


    国税徴収法(差押の要件)

    第47条(差押の要件)
     次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
    1.滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないとき。
    2.納税者が国税通則法第37条第1項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
    2 国税の納期限後前項第1号に規定する10日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第38条第1項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
    3 第2次納税義務者又は保証人について第1項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。



    河川情報のトップページへ
    introductionspanhttp://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=1C8FS1+9X8M9E+RUS+626XTintroduction