元 河川監理員による河川情報
    水質改善は大変です
     油流出は重大な環境汚染を引き起こします。 昔いた職場で管理していた河川では、水質事故が非常に多くありました。地域住民の方から頻繁に通報がありました。発見したらすぐお役所に通報という良い連携ですね。
     通報を受けたら、下流域の関係者へも連絡してスグ出動です。いつ何時もです。(あたりまえですが)

     現地対策は、通報箇所へ直接向かう対策チームと河川下流部から確認していくチームによりスタートします。下流部からのチームは、原因物質は何か、色や臭い、川への広がり、流出範囲など調査しながら上流部へと向かいます。たとえば、流出箇所が樋管だと判明した場合、そこから上流部へ調査を広げ、原因者を調査します。樋管へ繋がる支川も調べます。支川管理者と協力して対策にあたるのです。

     本川の河川管理者は自分の管理区間だけで対策おしまいというわけではなく、自治体と協力して、流出油等を支川で止めることに全力を尽くします。自治体の対策人数が少ない時は特に協力です。県管理区間や市町の水路について、イザとなった時に対応するのは理由は要りません。対策に係る費用面などあるので役割分担するところもありますが、水系一体管理の志は強いです。

     とにかく、「水質事故は支川でくいとめろ!」が合言葉です。

     わずか大さじ1杯のしょう油が河川に流れた時、魚が住める水にするためには500リットルの水が必要になると言います。少しの油流出でも自然環境には大きな被害となるのです。


     生活環境への被害としては、流出した油の臭気等で周辺住民の健康に大きな被害を及ぼします。又、流出油が地下へ浸透した場合は井戸水が使えなくなる等の被害も発生します。

     産業への被害としては、農業&漁業に大きな被害を及ぼします。又、工業用水の取水停止による工場の稼動が停止する可能性もあります。

     これらの被害に対して原因者には、多額の賠償請求の発生が予想されます。流出後の油の回収費用,環境回復費用に高額な費用が必要となります。それ以上に,国民の環境への注目が高まる中、原因者が企業だった場合、油を流出させたことによる企業のイメージダウンは,企業存続に関わる大きな問題となるでしょう。


    ■関係法令を紹介します


    水質汚濁防止法(抜粋・要約です)

    第14条の2 第1項および第2項 (事故時の措置)
     工場又は事業場で貯油施設(原油・重油・潤滑油・軽油・灯油・揮発油・動植物油を貯蔵する施設で規模の大小は問いません。)の設置者は、貯油施設等の破損その他の事故が発生し、油を含む水が当該貯油事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く油を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事(政令指定都市の市長)に届け出なければならない。

    第14条の2 第3項
     都道府県知事(政令指定都市の市長)は貯油事業場等の設置者が応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第31条 第1項第2号(罰則)
     第14条の2第3項の規定による命令に違反した者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。


    消防法(抜粋)

    第16条の3 第1項 (事故時の措置)
     製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。

    第16条の3 第3項
     市長村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く。)又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が第1項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第16条の3 第4項
     市町村長(消防本部及び消防署を置く市町村以外の市町村の区域においては、当該区域を管轄する都道府県知事とする。次項及び第6項において準用する第11条の5第4項において同じ。)は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第1項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

    第42条第1項 (罰則)
     次のいずれかに該当するものは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    六の二 第16条の3第3項又は第4項の規定による命令に違反した者


    河川法(抜粋・要約)

    第18条 (事故時の措置)
     河川管理者は、河川を損傷し、若しくは汚損した行為によって必要を生じた河川の維持を、当該他の行為の行為者に行わせることができる。

    第67条(原因者負担金)
     河川管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた河川工事又は河川の維持に要する費用については、その必要を生じた限度において、当該他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。

    第71条(負担金の通知及び納入手続等)
     第67条、第68条第2項、第70条第1項、前条第1項及び第75条第9項の規定による負担金の額の通知及び納入手続その他負担金に関し必要な事項は、政令で定める。

    第72条(負担金の帰属)
     第67条、第68条第2項、第70条第1項、第70条の2第1項又は第75条第9項の規定に基づく負担金は、国土交通大臣が負担させるものにあつては国、都道府県知事が負担させるものにあつては当該都道府県知事が統括する都道府県の収入とする。

    第73条(義務の履行のために要する費用)
     この法律、この法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定又はこれらの規定に基づく処分による義務を履行するために必要な費用は、この法律に特別の定めがある場合を除き、当該義務者が負担しなければならない。

    第74条(強制徴収)
     この法律、この法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定又はこれらの規定に基づく処分により納付すべき負担金又は流水占用料等(以下これらを「負担金等」という。)をその納期限までに納付しない者がある場合においては、河川管理者(当該負担金等が、国の収入となる場合にあつては国土交通大臣、都道府県の収入となる場合にあつては当該都道府県を統括する都道府県知事とする。以下この条において同じ。)は、期限を指定して、その納付を督促しなければならない。

     河川管理者は、前項の規定により督促をする場合においては、納付義務者に対し督促状を果する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して20日以上経過した日でなければならない。

     河川管理者は、第1項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその負担金等及び第5項の規定による延滞金を納付しない場合においては、当該負担金等が国の収入となる場合にあつては国税の、都道府県の収入となる場合にあつては地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。

     前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。

     河川管理者は、第1項の規定により督促をした場合においては、政令で定めるところにより、同項の負担金等の類につき年14.5パーセントの割合で、納期限の翌日からその負担金等の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。


    国税徴収法(差押の要件)

    第47条(差押の要件)
     次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
    1.滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないとき。
    2.納税者が国税通則法第37条第1項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
    2 国税の納期限後前項第1号に規定する10日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第38条第1項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
    3 第2次納税義務者又は保証人について第1項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。



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