元 河川監理員による河川情報

     建築確認申請の手続きに行った方が窓口で、「河川堤防付近で建築だから、河川管理者に河川法第55条(河川保全区域)について確認をして下さい」と言われて、私のところにいらっしゃいました。

     河川保全区域内で行う行為には、一定の行為につき制限があります。
     洪水時に堤防や護岸など河川管理施設に支障を起こし、災害を招く行為もありますので、事前に確認しなければなりません。

     たしか、位置図・断面図・基礎詳細図・公図写などにより確認していました。


    「位置図」
     どこに建築されるか(河川との位置関係を知りたい)

    「平面図」
     今回行為について河川堤防や境界との位置関係を確認するため

    ・建物の各数値記入
    (河川の付近でどのような工作物が作られるのか知りたい)
    ・堤防に一番近い施工箇所(断面部分の位置)について特に詳細に数値記入
    (行為の位置が、堤防に影響をあたえるかどうかが知りたい)
    ・特に基礎部分の位置及び数値記入
    (堤防の浸潤面の上昇に対する影響を知りたいため)
    ・官民境界の記入
    (境界確定されているかどうか、わかりやすく正確に記入)
    ・行為地内の排水処理計画を記入
    (雨水排水、生活雑排水の流れを図示。)

    「断面図」
     堤防との位置関係と各箇所の数値により「2Hライン」に係る工作物の確認するため(1/100がわかりやすい)

    ・現地で測量により各変化点の数値を計測して下さい。
    (堤防の角はそうとう丸くなっていると思われるので、全体的にみて角を決定してもらえればいいです)
    ・建物の各数値記入
    (河川の付近でどのような工作物が作られるのか知りたい)
    ・堤防に一番近い箇所について特に詳細に数値記入
    (行為の位置が、堤防に影響をあたえるかどうかが知りたい)
    ・特に基礎部分の位置及び数値記入
    (堤防の浸潤面の上昇に対する影響)
    ・断面位置は下流キロポスト位置から上流方向へ何キロと計る。
    ・GLは標高(TP)によること
    (当所から予め、近くのキロポスト標高値を提示する)
    ・堤防の各変化点の高さを記入すること
    ・河川堤防に一番近い部分で断面をとる
    ・官民境界を記入
    (境界確定されているかどうか、わかりやすく正確に記入してもらう)
    「基礎詳細図」
     基礎、杭基礎が堤防に影響しないかどうか
    (基礎工事等のための地盤改良の有無。 堤防への影響)

    「公図写」
     行為地の位置及び形状の確認
     河川付近においては、堤防整備工事等計画されている場合があります
    (整備計画で30年以内に堤防整備工事が予定されている場合がありますので承知して下さい)

    ・・・・などだったかと思います。

    〇基本的事項です

     河岸や河川管理施設の保全に支障を及ぼすおそれのないものである限りは、許可されると思います。
    〇許可を必要としない行為は次のとおりです

    ・耕耘
    ・堤内の土地における地表からの高さが3m以内の盛土。
    (堤防に20m以上沿う場合を除く)
    ・堤内の土地における地表から深さ1m以内の土地の掘削又は切土
    ・堤内の土地における(コンクリート造、石造等の堅固なもの及び貯水池、水槽、井戸等水が浸透するおそれのあるものを除く)工作物の新築又は改築


    ○河川法 第55条第1項
    (河川保全区域における行為の制限)
     河川保全区域内において、次の各号の一に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りでない。
    1.土地の掘さく、盛土又は切土その他土地 の形状を変更する行為
    2.工作物の新築又は改築




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     河川区域内で土地を掘削し、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する場合、又は、竹木を植栽若しくは伐採しようとする場合は、河川法の許可が必要です

    ○河川法第27条第1項
    (土地の掘削等の許可)
     河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切上その他土地の形状を変更する行為(前条第1項の許可に係る行為のためにするものを除く。)又は竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽易な行為については、この限りでない。

     上記の「政令で定める軽易な行為」とは次のとおりです。相談してください

    ・河川管理施設の土地から1Om以上離れた土地における耕耘
    ・許可を受けて設置された取水施設又は排水施設の機能維持のための土砂排除
    ・河川管理者が指定した区域以外の竹木の伐採
    ・その他河川管理者が影響が少ないとして指定した行為




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     工事や季節的なイベント行事等を行う場合、または仮設物を設置する場合は、特別な手続きによって実施することができます。
     他の河川利用者の利用を制限してしまいそうな計画の場合は、付近の行政窓口(その河川を管理している行政機関)へ相談したほうがいいですね。


     私がやっていた頃は、一時使用や一時占用の手続きがありました。ほかの河川管理者も同じでしょうか?

    一時使用(いちじしよう)
     地域や学校等が実施する行事(総合学習で川の生き物調査とか)など、団体的な「短期間の河川敷地の使用」で、河川管理者が使用上または使用後の注意事項等を指導する必要があると判断される場合に、「一時使用届」を提出してくださいとお願いされます。

     「届出」がどういうときに必要なのかが、お役所的表現であり抽象的でわかりにくいと思いますが、早く言えば「その場所を仲間内で確保して使いたい時=他の河川利用者の自由使用を妨げる恐れがある場合」です。不明な場合は、その川を管理しているお役所へ電話1本です。(○○川とかでネット検索すると、河川管理担当連絡先も探せます)

     お役所に尋ねれば、利用したい場所で河川工事の予定があるだとか、ほかの団体が魚釣大会で100人が利用する日だとか、自分にとっても支障となりそうな情報も教えてもらえます。


    一時占用(いちじせんよう)
     大規模な仮設物の設置を伴い、排他独占的な使用を確保する必要があるものについては、河川管理者が河川管理上の一定の規制を行う必要があることから、一時占用の許可を受けることとなります。この場合、許可申請書に出水時の対応等を明確にするとともに、河川敷地占用許可準則の趣旨から大きく逸脱することのないようにすることが必要です。


    一時使用と一時占用を比較してみました

    ○一時使用

    ・期間     おおむね3日以内のものであること
    ・手続き    現場近くの出張所長へ相談する
    ・終了時の確認 通常の河川巡視等で確認する
    ・代表事例
     各種スポーツ大会、消防訓練、凧上げ大会、仮設物を伴わない花火大会・映画等の撮影など
     ※私が担当していた頃、お笑い芸人が、対岸まで川を泳いでわたるというテレビ企画モノの相談がありました。

    □一時占用

    ・期間     設置から撤去まで必要最少日数(おおむね1月以内のもの)
    ・手続き    許可申請が必要
    ・終了時の確認 撤去完了後、立会確認か写真と河川パトロールで確認
    ・代表事例  工事、やな場、仮設物を設置する各種スポーツ大会・コンサート・伝統的歴史的行事など


    (注意)
     河川で大雨による増水時に、河川利用者が許可を受けて設置した仮設物が、撤去が間に合わず流されたり、利用者自身が水難事故に あったりという事態が非常に多く発生しています。したがって仮設物を設置する河川利用の場合は、「増水時における仮設物の撤去計 画」を結構細かく確認することになります。
     たとえば、どういう天候で、利用地点から上流部水位観測所の水位がこうだと、何時間後に利用地点の水位がこうなるから、撤去に 必要な時間を確保して、何時間前には、何人でどういう方法でどこへ撤去する・・・とか詳しく計画してもらいます。)



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     河川法の許可を受けた工作物の用途を廃止した場合、許可を受けた内容を一般承継する場合、または許可に基づく権利を譲渡する場 合には、届出または承認が必要です。


    〇用途廃止(河川法第31条)
    第31条(原状回復命令等)
     第26条第1項の許可を受けて工作物を設置している者は、当該工作物の用途を廃止したときは、速やかに、その旨を河川管理者に届 け出なければならない。

    〇地位承継(河川法第33条)
    第33条(許可に基づく地位の承継)
     相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第23条から第27条までの許可を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合 にあつては、第23条から第25条までの許可に基づく権利を承継し、又は第26条第1項若しくは第27条第1項の許可に係る工作物、土地 若しくは竹木若しくは当該許可に係る工作物の新築等若しくは竹木の栽植等をすべき土地(以下この条において「許可に係る工作物等 」という。)を承継する法人に限る。)は、被承継人が有していたこれらの規定による許可に基づく地位を承継する。

    〇権利譲渡(河川法第34条)
    第34条(権利の譲渡)
     第23条から第25条までの許可に基づく権利は、河川管理者の承認を受けなければ、譲渡することができない。



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    境界の標識設置で境界が確定されるわけではない

     現地に土地境界の表示があるからといって必ずしもそこが境界であるとは限らないと言われます。そして、境界標示のどの部分が境界線であるのかが必ずしも明確ではないのです。したがって、境界について当事者間で合意している境界は、公的にも境界確定しているというものではないのです。
     現実の生活においては、当事者間で「ここが境界である」という認識が相互にあるため境界紛争にならないでいるということです。


    登記簿を確認するだけでは境界確定にはならない

     登記簿の「表題部」で土地の現状を確認できます。表題部には土地の所在地・地番・地目・地積(土地の面積)が記載されています。甲区欄で土地所有者は誰か、誰かに差し押さえされてないかチェックし、乙区欄で担保が入っているのか、担保権者は誰かをチェックします。しかし、現在の登記簿は不明確、曖昧であり境界確定にはならないと言われています。


    当事者の合意による境界は境界確定のための一資料にすぎない

     お隣さん同士で土地境界を定めた事実があっても、これによって一筆の土地境界自体は変動しません。境界確定のための一資料に過ぎないということです。しかし、当事者間で合意ができていれば紛争にもならず、実生活上は当事者の合意で境界が決まっているとも言えるんでしょうか。


    客観的な基準となる資料

     それは、「図面」を見つけだすことです。「公図」は、土地の形状については割と正確です。しかし方位や距離については参考にならないと評判です。次に、「実測図」はベストです。測量士等により、関係地権者どおしの境界立会も実施し、実際現地において測量した図面であるために非常に正確で、現時点で図面作成当時と現況が大きく変わらない場合には、非常に有用な図面であると言えます。(実測図には測量者の資格、名前押印、測量日の記載が必要なので、図面の右下あたりにそれを見つけることができます)  実測図を作成後に、土地造成や道路拡張などによって、地形などが大幅に変わっている場合は、実測図の起点すら不明となってしまうため、「航空測量図」や「航空写真」を参考にして、当時と現在を照らし合わせたりします。「住宅地図」は、住宅地の場合に参考になります。


    境界確定にあたり重要なこと

     「土地の占有状態」をみることです。所有権の確認ではないが、現にその土地を使っているという経緯が、土地境界がここにあるという大きな判断材料となります。

     「土地の形状・地積」はポイントです。道路や水路という人工的な工作物の配置や、河川等の自然の地形によって土地境界としての目印になっている状態は、けっこう有力な境界確定の基準となります。地積は公図そのほかの地積と照合する形で境界が判断できる場合があります。




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